第1章 あなたの一歩を阻むものは何ですか?

1-1・ブログの更新を止めてしまった4年前


時は2009年。
私は生まれて初めてブログを開設しました。

それまで築いてきたライティングや編集者の経験を活かして、今度は自分独自の発信をしようと息巻いていました。

でも、そのブログは、わずか半年間、20回程度の更新でストップしてしまいます。

「裕じろう」というペンネームを使って匿名性を担保し、身の回りの人をインタビューしてその生き様を紹介するというテーマのブログ。

しかしそのブログは、2011年3月以降、東日本大震災が発生するまで、ついに更新されることはありませんでした。

このとき私はなぜ実名でスタートできなかったのか。また、わずか半年で更新をストップしてしまったのか。

一方で、2011年以降は、ブログに加えて、メルマガ、FacebookのFanページ、書籍執筆と、頻度こそ不定期ではありますが、4年以上実名を公開し、「3.11を忘れない」というコンセプトで書き続けています。

なぜ今は書き続けることができているのか。
自分でもその確固たる理由はよく分かっていませんでした。でも、実名で書けなかったこと、そして更新がストップしてしまった理由であれば何となく理解していました。

それはこんな想いからきています。

・どのテーマをメインにしようか、決断できない
・価値がないんじゃないか
・誰も読んでくれないんじゃないか
・誰かを傷つけてしまうんじゃないか
・自分の名前で書いて、批判されるのが怖い
・続けるのが面倒
・忙しくてつい後回しになってしまう
・まだインプットが不十分
・文章スキルに自信がない

※各論は次節以降に譲ることにします。

最初こそ「えいやっ」で始めてみたものの、こうした恐怖心と闘う意味を見出せず、いつしかブログから遠ざかっていきました。

しかし、当時の挫折感が、今私に筆を取らせてくれています。

当時の私は、ライター兼編集者として、すでに延べ1000名近くの経営者や管理職、一般社員の方、著名人、プロスポーツ選手などの取材や記事編集の実績をもっていました。

業界的にはまだまだひよっこでしたが、それでも、お客様から記事を褒めていただいたり、取材対象者に「記事にモチベーションをもらいました」といった言葉をいただいたりしてきたことで、「書く」ということには多少の自信がありました。

でも、ブログは続かなかった。

仕事でならいくらでも書けるし、自信もあるのに、なんでブログでは同じことができないのだろうか。

私に決定的に足りなかった経験。それは、「『実名』で発信すること」でした。それまで対象者の話をまとめることはあっても、それを「花木裕介」として発表することはそれほど多くありませんでしたし、そもそもそれは対象者の方の意見であって私の意見ではありません。

そんな安心感が私を自然と商業ライティングに向かわせていたのです。

でも、今更新しているブログやFacebook、メルマガは違います。基本的には自分の意見を伝える場です。実名であろうとペンネームであろうとその1文1文には責任が伴います。かつての私は、そこまでリスクをとって取り組む意義を見出せませんでした。

そう、2011年6月に、あの東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた宮城県石巻市を訪れるまでは……。

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コメント: 1
  • #1

    長内 (土曜日, 20 2月 2016 00:25)

    自分は発信できないなー。
    自分の24時間365日を世界中の人に言えないから。そんな感じかなー