1-3・価値がないんじゃないか
第一人者でもなければ、その道のプロでもない。こんな私の発信にどれだけの人が賛同してくれるのだろう……。
ブログやFacebookを始めても、誰も読んでくれないんじゃないか……。
そう考えては、希望を挫かれていました。
では、「発信の価値」とは何でしょうか。
読者が多いこと? 影響力が高いこと? それらを価値というのであれば、私を含む世の中の大多数の人の発信は「価値がない」ということになってしまいます。
また、どんなに著名な作家であっても、有名なブロガーであっても、最初から影響力があったわけではありません。
そう。価値は、始めるときではなく、むしろ続けていくうちに高まっていくものではないでしょうか。
さらには、価値を決めるのは、あなたではなく読者の方々です。
だとしたら、まずは発信してみないと価値があるのかないのかも分からない、ということになりますよね。
私の場合も、最初から自分の発信に価値があるとは思っていませんでしたし、今でもそれほど高い価値があるとは思っていません。
でも、「続けている」という事実だけは嘘をつきません。
2011年以降、多くの方が東日本大震災をテーマに、さまざまな発信や取り組みをしてきましたが、続けている方は年々減ってきています。
だから、自分はすごい、と言いたいわけではありません。
そんなシンプルなことに、価値を見出してくれる方もいらっしゃる、ということを伝えたいのです。
私の知り合いに、河北新報社の松田博英さんという記者の方がいます。
河北新報社といえば、宮城県仙台市に本拠を置く新聞社であり、千葉県出身の私にとっては縁遠い存在でした。
でも、河北新報社のウェブサイトに飛び込みで問い合わせをした私に、松田さんは丁寧に返事をくださり、さらには取材記事を作成してくださいました。
「千葉県の会社員花木裕介さん(36)が『3.11を語り続けるボランティアライター』を名乗り、東日本大震災の被災地に寄せる思いを文章で地道に伝えている。日々の仕事や子育ての傍ら、ウェブなどで思いをつづる。文章講座を企画して発信の担い手を広げる試みも続け、震災を風化させまいと奮闘する。(以下略)」
こんな出だしで始まる記事を、東北を中心に50万部弱発行している新聞に掲載いただくことができたのです。
インパクトのある文章を書いてきたわけではありません。
でも、「続けている」ということに価値を見出してもらえた貴重な経験を、まずはあなたにも知ってもらいたいと思い、この事例を紹介しました。
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長内陽知 (土曜日, 20 2月 2016 00:31)
ふむふむ。新聞に取り上げられたんだ。すごいね。