第7章 使命感を育むためのヒント③ 一番苦しい人の立場になってみる

7-1・被災地の方々に迷惑をかけているのではないか?



第7章では、「使命感を育むためのヒント③」として、「一番苦しい人の立場になってみる」ということをテーマにお話ししていきます。

ここまで、「一番伝えたいこと」を、「一番伝えたい人」に発信していくための心得をご紹介してきました。

この二つに意識を集中させることで、私の中には次第に使命感が膨らんでいき、それまで抱いていた不安が嘘のように、発信を加速させることができました。そして、あなたにとっても、同じように効果があることを信じています。

とはいえ、それでも発信には不安がつきものです。この手法は、あくまでも不安を使命感によって乗り越えていく手法であり、不安そのものが「無くなるわけではない」からです。

ご自身の体調や感情、その日書こうとしている小テーマの内容などによっては、不安の波が一気に押し寄せてくることもあるでしょう。

では、どうしたらこうした不安の波を上手に乗りこなすことができるのか。

ここからは、少しトーンを変えて、具体的に、不安やリスクを軽減する方法についてご紹介します。

そもそも私がこのブログを書こうと決めたのは、自分が発信してきた「3.11を忘れない」というテーマが持つその特殊性が、読者の皆様にお役に立てるのではないかと考えたからです。

私のセルフメディアは、北は北海道から南は九州まで、幅広い地域に住む方々に応援いただいています。

中には東北に住む方々や、実際に大震災によって被災された方々もいらっしゃいます。

そのような方々に対して、首都圏に住む自分が発信することは、ともすると大変なリスクが伴います。

親族を亡くされた方もいれば、住む家や職を失った方もいらっしゃいます。

「現地の方々に失礼な物言いになっているのではないか」
「何も分かっていないと思われるのではないか」
「苦しい立場の方々を、さらに傷つけてしまってはいないか」

2011年6月に宮城県石巻市を訪れるまではそのような不安ばかりが頭を占め、発信という行動に踏み出せずにいました。

でも、石巻市で小さな使命感を手にした私は、ようやく発信する決意を固めることができました。

もちろん不安やリスクがなくなることはありません。

でも、自分の心がけや意識次第で、不安やリスクをできるだけ小さくしていくことはできます。

この章では、読者を傷つけたり、誤解をされたりすることがないよう、私が4年間、どのようなことに気をつけてきたのかについて見ていきます。